衿はスーツの顔
本日、営業しております。
なんの自慢にもならないところが、あら不思議。
もちろんマスクも着用するし、アルコール消毒も徹底するし、ボールペンやマウスやキーボード、電話に至るまで、親の仇のように拭いてます。
せっかくの休み、と思ったら外出ですら縛られる。
業界仲間と飲みに、お客さんと飲みに、これももちろん縛られる。
明日何しよ、、
竹トンボでも作って淀川飛ばしたろかな。
さぁ、あんまりコロナに関する話をしても不謹慎、皆さんニュースで嫌になる程見られているはずなので。
スーツの<衿>について。

顔ともとれる大事な箇所、衿の印象一つで見た目の印象はガラリと変わります。
一般的なノッチドラペルでもゴージライン(上衿下衿の縫い合わせ線)の上げ下げ、衿先の角度などで様々な変化を楽しむことができます。
8~10年前からか某セレクトブランド発信でハイゴージラペルもいつのまにか大分と浸透してきました。
しかし昨今は特に香港のスミズーラがクラシック回帰を得意に、銀座など一流立地、三越伊勢丹のハウスオーダーなどで<クラシコ経由のハイゴージラペル>を徐々に変えていこうという流れになっているようです。
ゴージ起点は高めに設定されていても、衿先は低めの鋭い傾斜に線を引かれていたり、従来ハシゴまつりの手付けでしか縫えなかったカーブを描くようなゴージでもマシンで生産したりと、テーラリングは毎シーズン進化していて面白い。
中にはゴージラインが高すぎて、しかもピークドラペル(剣先を上で尖らせた)のせいか背面から剣先が見えてしまうスーツも極々たまに見かけます。
国内某工場のモデルですね、TPモデル、インスタグラムで色んなオーダー屋を見ていると一発で分かります。
尚且つ写真撮りは反身体になりがちで吊り天井に引っ張られるようなスーツに見えます。
モダンブリティッシュに優し気な印象、クラシコでスッキリ色気のある印象、いやいやオーセンティックに万人受けできる男性的な印象、さすがに衿一つで変わらずとも、肩と同じくスーツの顔ともとれるディティールです。


ラペル幅(衿巾)もそう、体躯のバランスで決めるのがセオリーですが、生地(ストライプやチェック)の柄に合わせるのも自由、フランコバッシなどクラシックなネクタイと幅を合わせワイドラペルにするのも自由、昔のアルマーニが好きでシャープな衿も自由です。
ただ、その人の印象を良くも悪くも変えてしまうのが衿です。

オーダースーツ店といえど、その店それぞれに得意としているハウスモデルがあります。
大事な日に着用する良いとされるスーツなのか、日頃着るビジネススーツなのか雨用の洗い替え用なのか、求める物は多様ですが、今春オーダースーツを検討されていましたら一度信用のおけるオーダー店にて、相談されてみてはいかがでしょうか。
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