正規品と並行品
昨晩も楽しい飲み会でした。
前職の元上司もおられ、懐かしい名前や話を聞けて大満足です。
あ!そういえばインスタで観た、樫山さんにいてるらしいあの子!
四国出身やて・・・っ!?
仲良くなりたいなぁ。。
ほんまに・・・。
まさかブログ観てないとは思いますけど。。
こういうこと書くと絶対セクハラ扱いや気味悪がられるでしょうね。
色々恋愛してきましたが、やっぱり同じ業界かアパレルに関わる方が合います。。
たまたま生地屋で見かけたり、たまたま工場で見かけたり、そんなのないかな!
ないわな!!
さて、、
オーダースーツは<服地代>と<仕立て代>でまず価格設定されます。
+α接客サービス、フィッティング技術、店の立地(SC等は家賃の他に売上の分け前も考慮します)
今回、正規品と並行品というのは主に服地の方。
エトロやアルマーニ、外資系ブランドに並行品があるようにオーダースーツにもそれは存在します。
むしろ並行品が至る所に出回っています。
例えば<ゼニア>。
イタリア服地の代表作です。
ゼニアの生地は既製品用の生地とオーダー専用生地に分けられます。
各テーラーに入ってくるゼニア生地は、オーダー専用生地だけです。
テーラーに入ってくるといっても、当然各テーラーに直接ゼニアが販売することはありません。
日本の場合であれば、まずはゼニアジャパンが輸入し各テーラーに販売する、という仕組みになっています。
ゼニアの生地は毎シーズン約800種類~企画されます。
そのうち、既製品用の生地が約100種類。残りがオーダー専用生地。
そのうち約300種類は企画のみで結局製品化されません。
つまり、シーズンごとに製品化されるオーダー専用生地は約400種類もある、ということ。
しかし約400種類もあれば、中には当然あまり日本人の好みではない、あるいは似合いにくい色や柄もあります。
そんな生地が日本に入ってきたとしても、売れる可能性は低いでしょう。
そこでゼニアジャパンは日本人に似合うもの、好きそうなもの、その年のトレンドなどを勘案して売れそうな生地だけを厳選して輸入をする。
ということはつまり、他の国には日本に入ってこないゼニアの生地もあるわけ。
それを正規ルート、つまりゼニアジャパンを通さずに、
ゼニアとは直接関係のない生地商社や昔で言う羅紗屋、個人などが買い付けて日本に持ち込んだもの、それが「並行輸入品」です。
並行輸入品の生地と、正規輸入品の生地の違いを一言で言うと「正規ルートを通じて日本に入ってきたものかどうか」でしかありません。
どちらも同じゼニア社生産の生地なので品質に違いがあるということもありません。
しかし並行輸入品の生地を使ったスーツには時に注意が必要です。


そこでゼニアのスーツに着けられる織ネームの話を。
織ネームの色は赤と青の2種類があり、正規輸入品の生地を使ったオーダースーツには<赤タグ>。
既製品および並行輸入品の生地で作られたオーダースーツに付けられるタグは<青タグ>。
ポールスミスやダーバンなどの有名メーカーにも、ゼニアの生地を使っている商品があります。
このようなスーツにはメーカーのブランドタグの他、ゼニアの既製品専用生地であることを示す青タグが付けられていることがあります。
「ゼニア服地使用オーダースーツ~お買い得!~」という触れ込みで販売されている物に多いのですが、このようなスーツは「ゼニアの生地を使ったゼニアとは違うパターンのスーツ」でしかありません。
ゼニア社のスミズーラ(オーダーメイド)のパターンに見られるようなシルエットとは別の仕様ということ。
最も悪質なのは明らかにゼニアの生地を使用していないスーツに、後付で青ラベルが付けられているケースすらあります。
※ここまでくると詐欺。
「お買い得!」と書きましたが、正規品と並行品で織ネームの違いの他、何よりも価格設定が大きく違います。
例えば百貨店のイージーオーダー、ゼニアクラスになるとプロパー売価¥190,000近くはします。
百貨店へ献上する割合はおよそプロパーで約4割、つまり¥190,000で販売すると¥76,000は百貨店側、残り¥114,000がメーカー側へ。
それが半期に一度の大バーゲン!などでは売値はグーンと下がり、売値はおよそ¥100,000。
献上する割合は勿論減りますがそれでも3割、つまり¥30,000。
メーカーの取り分は¥70,000になります。
赤タグと青タグに戻りますが、メーカー取り分¥114000であれば間違いなく赤タグ、正規品です。
それが¥70000となると、、ほぼ9割方以上青タグ、並行品です。
ゼニア以外でもロロピアーナやスキャバル、タリアデルフィノ、それらもインポート服地も正規と並行、それぞれ殆ど織ネームに違いがあります。
さぁ、結論です。
ゼニアの服地使用オーダースーツ、サイズ感やデザイン性は勿論必要。
もし万が一、それが百貨店のオーダースーツでプロパーもしくはクリアランス20~30%off(¥126000~¥190000)
で買った物。
もしくは路面店のオーダースーツでプロパー&セールに限らず¥100,000以上した物。 ※S上下本体価格
これらに赤タグではなく、青タグが付いていたらNGです。
価格に自由度があるというのが並行品の良さですが、多く貰い過ぎるのは絶対ダメ。
並行品は廉売する為に用意してあります。※もしくは正規にはない掘り出し物
それが物やブランドの価値であり、対価に対する商品、またはその逆じゃないでしょうか。
廉売(安売り)した物に「正規のタグ付けて」、そんな勝手なお客様が増えたのも現場としては面白いのですが。
しかしそれはNGです。
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